プロ野球、巨人4番の阿部が痛烈な決勝弾
14年連続の2桁アーチ
追い付いて、なおチャンスの六回1死二塁。巨人の阿部が外角速球を左中間フェンスの向こうに運んだ。
「バットの先でこすり気味だったが、しっかりとたたけた分、打球が伸びてくれた」。4番では今季初めてとなる本塁打は、決勝の10号。前打者の亀井の打球がビデオ検証で二塁打と確認され、命拾いした広島・大瀬良に痛烈な一撃を浴びせた。
今季は「これだけ苦しんだのは初めて」というほどの打撃不振。原監督が「本来なら中心にいてほしい選手」が下位に甘んじ、休養を兼ねて先発を外れる試合もあった。
4番に戻った1日は無安打。この日も一回の先制機で凡退したが、悔しさを力に変えた。7月11日以来となるアーチは、「自分の調子のバロメーター」という逆方向への一発だった。
巨人一筋で新人から14年連続で2桁本塁打を記録し、原監督と並んだ。指揮官は「1本出たからと言って本人もそうそう喜んでいないと思う」。
その思いは本人も同じ。「中軸が打てばいい試合ができるし、こうやって勝てる。どんどん打って勝てれば」と巻き返しを誓った。