豪風が日馬富士を破る、最年長初金星を更新
35歳の信念、「たった一度の相撲人生、しっかりやりたい」
今度は兄弟子が快挙を達成した。35歳の豪風が日馬富士を破って初金星。「弟(弟子)には申し訳ないが、きょうは兄貴の俺が記録を塗り替える日だと思ってやった」。そんな決意を実らせ、誇らしそうに振り返った。
日馬富士には過去2勝20敗。「いつも中に入られてやられていた。だから絶対に突き起こされないようにした」。立ち合いで当たった直後、左に動いてはたくと、バランスを崩した相手を一気に押し出し。今場所、本来の俊敏さを欠く日馬富士の心を見透かすように、得意の引き技を使った。北の湖理事長(元横綱)は「豪風は、相手の調子が悪いのが分かっていたのでは」とみた。
5日前、尾車部屋の弟弟子で32歳の嘉風が記録した初金星の最年長記録を早々と更新した。それでも「まだ場所はあるし、浮かれている時間はない」。こうした実直さも、9年以上幕内に居続ける理由の一つだ。
毎場所、番付発表後は酒を断つなど、節制にも労を惜しまないベテランは、「たった一度の相撲人生。プロとして、しっかりやりたいから」。信念を胸に、10日目は最強の白鵬に挑む。