小澤征爾さん気迫の指揮、スイスの聴衆魅了


3年ぶりの海外公演、「スイス国際音楽アカデミー」の演奏家と

小澤征爾さん気迫の指揮、スイスの聴衆魅了

自身が創設した音楽塾「スイス国際音楽アカデミー」の若手演奏家と公演した小澤征爾さん=28 日、スイス・ジュネーブのビクトリアホール(時事)

 世界的指揮者の小澤征爾さん(78)が28日、自身が創設した音楽塾「スイス国際音楽アカデミー」の若手弦楽奏者を率い、スイス・ジュネーブのビクトリアホールで公演を行った。小澤さんの本格的な海外公演は3年ぶり。

 曲目はバッハとバルトークの弦楽合奏曲。指揮棒を持たず全身を使った迫力のある指揮に、楽団員28人の息がぴったりと合い、美しい調べが約20分間ホールを満たした。

 指揮を終えた小澤さんは楽団員一人ひとりと握手。観衆は総立ちになり、大きな歓声と惜しみない拍手を送り、小澤さんをたたえた。

 世界各国から選抜された若手演奏家を指導する目的で発足したアカデミーは、今年で活動10周年目となる。

 小澤さんは2010年に食道がんを公表。腰痛のリハビリもあり、12年に一時活動を停止した。しかし昨年8月、音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」でオペラを指揮し、本格復帰を果たした。

 小澤さんは7月1日にパリでも公演を開く予定。(ジュネーブ時事)