「笑顔を届けたい!」―4月29日、学生ら…
「笑顔を届けたい!」―4月29日、学生ら10人が自転車で茨城県鹿嶋市を出発、青森県八戸市までの800㌔を6泊7日で走破し、復興支援に一役を果たした。イベントの主宰者、東京都中野区の旅行代理店業、岡田繁さん(53)の思いが実った。
1日100~150㌔の強行軍、車道を一群が走るという事情から、難航が予想された。しかし宮城県南三陸町や八戸市などの後援を得て無事、全員完走した。
鹿嶋を出発し2日目、福島県南相馬市では原発事故で国道6号が通行止めのため迂回し、山道のきついアップダウンを経験。農家経営の民宿に泊まり、主人から震災当初のゴーストタウン化した街の様子などを聞いた。
3日目、震災で最も被害が大きかった地域の一つ、宮城県女川町では、カタールの支援で完成した冷凍冷蔵施設前で記念撮影。しかし海岸沿いを走ると、当然あるはずの住宅や建造物がない寂しい風景が続いた。
4日目、同県気仙沼市では震災で家族5人を失った牛乳販売店経営、千葉清栄さん(44)に出会った。家族で唯一無事だった長男瑛太君(12)は野球に夢中だ。千葉さんは瑛太君のために地元にバッティングセンターを建設、亡き家族らをしのんだ矢先だった。
各地でそれぞれの事情を抱える被災者たちと交流。「まず東北に足を運び、東北の今に触れ、人々と笑顔を交わしてください。彼らも多くの人に会いたいと思っています」と岡田さんは語る。