新潟・佐渡島で、野生トキのひなが誕生
放鳥トキの3世誕生を初めて確認
環境省は6日、新潟・佐渡島で2012年に自然界で生まれた国の特別天然記念物トキの2歳雄と、昨年放鳥された3歳雌のペアの巣の上に、ひな1羽がいるのを確認したと発表した。放鳥トキの3世誕生が確認されたのは初めて。
同省によると、6日午前6~8時ごろ、巣の様子を撮影した映像を確認したところ、ひな1羽の姿を発見した。このペアは4月3日、営巣・抱卵する様子が確認されていた。ふ化日は不明という。
同省の広野行男首席自然保護官は「これまでトキの自然状態の定着を進めてきた。野生で生まれたトキが親になり、目指している自然のトキの姿に一歩近づいた。巣立ちまでの約1カ月しっかり観察を続けたい」と話した。
現在、12年に自然界で生まれたトキを含むペアは4組が抱卵中で、他にも3世誕生の可能性がある。今年はこの他、放鳥トキ6組のペアで、少なくとも11羽のひな誕生が確認されている。
環境省は、15年ごろをめどに野生のトキ60羽を定着させることを目標に、08年から毎年放鳥を実施してきた。12年に放鳥2世が誕生し、今年は成長した野生トキが繁殖可能な年齢となっていた。