墓地に「セナ、寂しいよ」と書かれた国旗が
20周忌、在りし日の「貴公子」をしのび日本人も献花
ブラジルの人気F1レーサー、アイルトン・セナの死去から1日で20年が経過した。サンパウロ市の墓地には「セナ、寂しいよ」と書かれた国旗が掲げられ、訪れた多くのファンが花を手向け、在りし日の「貴公子」をしのんだ。
ファンらは当時の新聞の切り抜きなどを持ち寄り、思い出話に花を咲かせた。命日の墓参りを欠かさないというフランシスコ・ダシルバさん(64)は「気取らない性格でみんなに愛されたんだ」と誇らしげに語った。
日本の自動車メーカーの駐在員、和田誠さん(34)は「血の通ったレースをするヒーローだった」。セナと、家族ぐるみの付き合いをしていたブラジル移民の徳吉義男さん(78)は、当時、プレゼントして喜ばれたというトウモロコシを墓前に供え、「礼儀正しく、まるで日本人のようだった」と声を詰まらせた。
年間王者を3度獲得したセナは1994年、イタリア・イモラで行われたサンマリノ・グランプリ(GP)で事故死した。地元テレビが20周忌追悼番組を放送するなど今も根強い人気がある。(サンパウロ時事)