春の味覚、富山県産のホタルイカが食べ頃


漁獲増で価格下落、築地市場で昨年同時期の半値に

春の味覚、富山県産のホタルイカが食べ頃

漁獲が増え、安く出回るようになった富山産のホタルイカ(ボイル)=東京都中央区

 春の味覚、富山県産のホタルイカの水揚げが上向き、手頃な値段で出回っている。3月1日の漁解禁からしばらく不安定な漁獲が続いたものの、4月に入って漁は好転。5月にかけても順調な漁獲が期待できそうだ。

 主産地である滑川漁港(滑川市)の3月の水揚げ量は合計69トンで、昨年の4分の1と低調だった。県水産総合研究センター水産研究所(同)によると「ホタルイカの漁獲は水温が14度前後になると多くなるが、3月までは10度前後と低めに推移したことなどが要因」とみている。

 ところが4月に入ると水温は上昇。同漁港では「最近、多い日で10トン以上のホタルイカが水揚げされるようになった」と滑川漁業協同組合。他の漁港でも水揚げは増加傾向という。

 東京・築地市場(中央区)では、3月下旬まで昨年の3倍だったボイルホタルイカの卸値は漁の好転を受けてじり安に。4月中旬からトレー1枚(約400グラム)がほぼ底値と言われる500円ほどで、昨年の同じ時期に比べて半値近くに下落している。

 同研究所の予想では、今シーズンの県内の水揚げ量は「過去10年間の平均(約2000トン)並みかそれ以上」といい、5月にかけて順調に漁獲されそう。産地関係者は「酢みそや、わさびしょう油はもちろんだが、パスタやピザの具として食べてもおいしい」とPRしている。