「猿橋賞」に大分大教授の一二三恵美氏
「こつこつ取り組みここまで来た」、スーパー抗体酵素を発見
優れた研究実績を上げた女性研究者に贈られる「猿橋賞」の今年度の受賞者が、病原体のたんぱく質を狙って分解するスーパー抗体酵素を発見した一二三恵美・大分大教授(50)に決まった。「女性科学者に明るい未来をの会」(米沢富美子会長)が17日、発表した。
スーパー抗体酵素は、病原体の持つ特定のたんぱく質に結合して分解する。一二三教授はピロリ菌に感染したマウスに投与して効果を確認した。がんやインフルエンザの治療薬開発を目指し、研究を進めている。
一二三教授は山口県宇部市出身。短大を卒業し臨床検査技師資格を取得、民間企業を経て研究者に転じた異色の経歴を持つ。「周囲に支えられ、目の前にあることに、こつこつ取り組んでここまで来られた」と喜びを語った。
授賞式は24日、東京・霞が関の東海大校友会館で行われる。