コロナ新規感染者数、米欧で過去最多相次ぐ
オミクロン株とデルタ株が同時に、「感染の津波」とWHO
米欧各国で29日、過去最多となる新型コロナウイルスの新規感染者数が相次いで報告された。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は世界各地での感染拡大について、「感染力の強いオミクロン株がデルタ株と同時に拡大し、感染の津波をもたらすと非常に懸念している」と表明した。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米国では7日間移動平均の1日当たりの新規感染者数が28万2000人超となり、過去最多を更新。フランスで過去24時間の新規感染者が20万8000人、英国で18万3000人を超えたほか、ANSA通信によると、イタリアでも約9万8000人と過去最多を記録した。
米大統領首席医療顧問のファウチ国立アレルギー感染症研究所長は29日、CNBCテレビに出演し、オミクロン株の米国内の感染ピークについて「(来年)1月末ごろになるかもしれない」と予想。「米国の規模やワクチン接種者・未接種者の割合を考えると、(ピークに達するまでに)数週間以上はかかるだろう」と説明した。
フランスのベラン保健相は29日の議会での公聴会で、「コロナ陽性のフランス人は現在恐らく100万人を超えており、全人口の10%が濃厚接触者となっているだろう」と指摘。「こんな状況は初めてだ」と危機感を示した。クリスマスに親族らとの会合が増えたことで、感染が拡大したとみられている。
ベラン氏は「パリの病院で集中治療を受けている患者のうち70%はワクチンを接種していない」と説明。ワクチンに重症化を防ぐ効果があると改めて指摘し、接種を呼び掛けた。(ワシントン、パリ時事)