COP26が閉幕、石炭火力「削減」を採択
協定ルール合意、気温上昇を1.5度に抑える努力を追求
国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は13日、石炭火力発電の削減を各国に呼び掛ける文言を盛り込んだ成果文書「グラスゴー気候合意」を採択し、閉幕した。世界の気温上昇を「1・5度に抑える努力の追求」も明記。地球温暖化対策の国際合意「パリ協定」の運用ルールのうち、積み残されていた温室効果ガス削減量の国際取引の指針もまとめた。
COP26は会期を1日延長し、詰めの交渉を続けていた。焦点の一つだった石炭火力発電に関する部分は、当初案では「廃止」としていたが、採択の直前に中国とインドが反発。「削減」に置き換えられた。
具体的には、各国に対し「排出削減対策をしていない石炭火力発電の削減へ努力を加速する」ことを含め、温室ガス排出量の少ないエネルギーシステムへの移行に向けた技術開発などを要請した。
気温上昇を産業革命前から1・5度にとどめるパリ協定の努力目標をめぐっては、「気温の上昇が2度の場合に比べて気候変動の影響がはるかに小さいことを認識し、1・5度に抑えるための努力を追求することを決議する」と踏み込んだ表現に。各国に対し、2030年の排出削減目標を来年末までに再検討し強化するよう求める文言も盛り込んだ。
温室ガス削減量の国際取引の指針は、過去2回のCOPで決まらず、パリ協定の「最後のピース」とも呼ばれていた。協定の前身である京都議定書の下で発行した削減分「クレジット」のうち、一部を今後も売買することを容認。クレジットを発行元と売り先の企業などで二重計上することを防ぐ仕組みが決まった。
温暖化による異常気象や海面上昇の被害を受けている途上国を支援するため、資金調達について話し合う場を設ける文言も盛り込まれた。(グラスゴー時事)