EU、ベラルーシに対し制裁拡大を検討


移民送り込みを非難、関与する航空会社への制裁も検討

EU、ベラルーシに対し制裁拡大を検討

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長=2日、英グラスゴー(EPA時事)

 欧州連合(EU)は、ポーランド国境にベラルーシ側から大量の移民が押し寄せている問題を、EUの制裁に対するルカシェンコ政権による対抗措置だとみて危機感を強めている。国境地帯の緊張が一段と高まる中、政権への制裁拡大検討を急ぐとともに、移民流入の未然阻止を図る。

 フォンデアライエン欧州委員長は8日、声明でルカシェンコ政権による移民の政治利用を非難。EU加盟国に対し「この攻撃の責任を負う政権への制裁拡大を承認するよう求める」と訴えた。

 ルカシェンコ政権は、中東などから航空便やビザを手配して移民らを連れてきた上で、EU加盟国のポーランドやラトビア、リトアニアに送り込んでいるとみられている。フォンデアライエン氏は、関与する航空会社への制裁検討も表明した。

 移民の出身国や経由国にはシナス副委員長を派遣。ベラルーシ渡航を未然に防ぐよう働き掛けを強める。ただ、こうした動きや制裁強化が、事態解決につながるかは不透明だ。(ブリュッセル時事)