中国、タクラマカン砂漠に米空母の標的を設置
弾道ミサイル訓練用か、対艦攻撃能力増強が浮き彫りに
複数の米メディアは8日、中国が新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠に米軍の空母などを模した標的を設置したと報じた。弾道ミサイルの実験や訓練用とみられ、中国が米国との軍事衝突を念頭に、対艦攻撃能力を増強し続けていることが浮き彫りになった。
商業衛星写真には、米空母と少なくとも2隻のミサイル駆逐艦をかたどったほぼ実物大の標的が写っていた。線路上に設置された標的もあり、動く艦艇を想定して作られたとみられる。
中国は過去にも砂漠地帯に米空母を模した標的を設置し、対艦弾道ミサイルの性能試験などを実施。今回標的が設置されたのはその近辺とみられ、10月ごろに完成していた。
米国防総省によると、中国軍は2019年7月、南シナ海に対艦弾道ミサイル「東風21D」6発を発射し、その能力を試した。中国軍は東風21D(射程約1500キロ)と東風26(同約4000キロ)の2種類の対艦弾道ミサイルを保有。いずれも海上の大型艦艇を攻撃できるとされ、「空母キラー」の異名がある。(ワシントン時事)