天まで届け、祈りのたこ


岩手・陸前高田で、大震災の被災者らが手作りの連だこを

天まで届け、祈りのたこ

 岩手県陸前高田市で9日、東日本大震災の犠牲者追悼と復興を祈念し、被災者らが手作りの連だこを揚げた。

 同市と同県大船渡市で亡くなった人の数と同じ1896枚を制作。白いたこが風に乗って青空に舞い上がると参加者から歓声が上がった。

 津波で家を失い、仮設住宅に住む陸前高田市の柳下サキ子さん(61)は「遺族にとって、あの日のことを思い出すのは何年たってもつらいことだが、生き残れた者として忘れてはいけない」と、天高く揚がったたこを見詰めた。