魚関連のアイデア商品、より少量で便利に
魚消費を喚起、商社や食品卸が商品開発でしのぎを削る
魚消費を喚起しようと、商品開発で関連企業がしのぎを削る中、消費者の「もったいない、面倒くさい」という声に応える新たな商品が注目を集めている。
野村貿易が昨年11月に発売した調理済みの魚料理は「食べたい分だけ」がコンセプト。既存のサバのみそ煮などの商品は「80グラム以上のパックが主流で、少し多いと感じる消費者が少なくない」(同社)という。
そこで同社は1切れ60グラムの真空パックを三つ、ジッパー付きの袋に入れて販売。サバのみそ煮のほか、アカウオとブリの煮付けの3種類があり、いずれも三つ入りで298円(希望小売価格、税込み)。
商品を扱う東京・築地市場の卸会社は「少量に加え、残した分の保存に向いていることが受けて注文は次第に増えている」(丸千千代田水産)と話す。
大手食品卸の日本アクセスが販売する魚フライ風のふりかけは、簡単に揚げ物のような料理を作ることができるアイデア商品。火を通したサーモンやタラなどの切り身に満遍なく振り掛けて完成。弁当用のほか、焼き魚を嫌う子供にも人気となりそうだ。
衣になるふりかけは、みそ味とソース味の2種類。3月中旬発売予定で、ともに希望小売価格は156円(税抜き)。全国のスーパーなどで販売を予定している。
魚料理は調理やごみの処理が面倒といった理由から敬遠される傾向があるが、「簡単、便利な商品をきっかけに少しでも魚食が広がれば」(スーパーバイヤー)と期待する声が多い。