バット職人・久保田五十一さん、４月に引退
ヤンキースのイチロー外野手や松井秀喜氏らを担当
バットを削るミズノテクニクスの久保田五十一さん＝２８日午後、岐阜県養老町のミズノテクニクス養老工場
米大リーグ、ヤンキースのイチロー外野手や松井秀喜氏ら、名選手のバットを制作してきたミズノテクニクスの久保田五十一さん（７０）が２８日、岐阜県養老町の同社で記者会見を開き、４月に退社し、バット作りから引退すると発表した。
１９５９年に１５歳で入社した久保田さんは、「素材が良くなければ、いいバットは作れない。５５年間支えてくれた木材に感謝したい」と話した。イチロー選手のバット作りは、同社の名和民夫氏（４６）が引き継いでいる。
久保田さんのバットは、落合博満・中日ゼネラルマネジャーら、日本を代表する打者だけでなく、米大リーグ最多の通算４２５６安打を放ったピート・ローズ氏ら海外の選手にも愛用された。
松井氏はビデオメッセージで「引退するまでの２０年間、ずっと要望に応え、いつも百パーセントの答えを出してくださった」と感謝の言葉を寄せた。久保田さんは「選手が活躍するお手伝いをほんの少しやらせていただいたことは、人生の中で非常に素晴らしい経験だった」と振り返った。
