菅義偉首相の呼び掛けに沿ってというわけ…


 菅義偉首相の呼び掛けに沿ってというわけでもないが、「静かな年末」を過ごしている。新型コロナウイルスに振り回された1年だったが、悪いことばかりでもなかった。健康への注意のほか、さまざまな気付きもあった。

 4月の緊急事態宣言をきっかけに、テレビで録画した映画やドキュメンタリーを今年ほど観(み)た年はなかった。1980年代放送のNHK特集「シルクロード」などを観て、現在の中国と比較し、いろいろ考えさせられた。

 BSシネマで昔の名作映画も結構見た。感心した映画は米国のビリー・ワイルダー監督「アパートの鍵貸します」。アカデミー賞の作品など5賞を受賞したロマンチック・コメディーだ。

 1965年の東宝作品「怪獣大戦争」も観た。ゴジラ、ラドン、キングギドラが戦う怪獣ブーム全盛の映画で、ゴジラが当時流行の「シェー」をする場面もある。

 55年ぶりに観て、未来を鋭く予言する内容があるのに驚いた。地球征服を目論(もくろ)むX星人の女性工作員が今でいう人工知能(AI)の指示で行動しているが、その工作員が指示に反して地球人の男性に恋をするという話が挿入されている。いずれにしろ、こういう機会でもなければ観ることはなかったろう。

 こんなことを書いていると、今は「鬼滅の刃」でしょうと言われそうだ。ただ、60歳を過ぎた気流子など、今の状態で映画館へ簡単に足を運ぶ気にはなれないのである。お察しいただきたい。