池田、守りの野球「新しい形で出発」
27年ぶりに選抜高校野球大会に出場
春は27年ぶり。池田が再び甲子園への切符を手にした。かつての強豪を象徴した胸文字「IKEDA」のユニホームをまとった選手はグラウンドで歓喜。岡田監督は「長かったね。この日が来るのを夢を見ながらやってきた」。たどった道のりを振り返った。
強気の采配から「攻めダルマ」と呼ばれた名将、故蔦文也監督が長年率い、鮮烈な印象を与えた。1974年春には部員11人で準優勝。優勝した1982年夏には早稲田実のエース荒木大輔(元ヤクルトコーチ)を準々決勝で打ち崩すなど、破壊力のある攻撃力で「やまびこ打線」とも呼ばれた。甲子園で通算3度優勝したが、春は87年、夏は92年を最後に大舞台から遠ざかっていた。
強い池田の復活を願う周囲からの応援に支えられている。選出が決まったこの日、地元三好市の企業から、課題とする打撃を向上させるための打撃マシンが贈呈された。三宅主将は「甲子園で元気よくプレーするのを見てもらうのが一番」とプレゼントに発奮する。
平成生まれの選手たちに、かつての強豪の記憶はない。守りの野球を掲げ、当時とは対照的ともいえるチーム。「正直、力はそんなにない。新しい形での出発になる。最終的に1点でも多く取れる野球をしたい」と岡田監督。新しい時代への扉を開くつもりだ。