本田圭佑、ACミランで存在感示したデビュー
最大の見せ場、左足でポスト直撃シュート
濃い霧の立ち込めるアウェーのピッチに、白いユニホームの背番号10が登場したのは後半20分だった。ACミランの本田が最初にベンチ入りした試合で、いきなりデビュー。ゴールはならず、チームは敗れたが、早くも存在感を示した。
下位に低迷するサッスオロに2-4とリードを許した場面での投入。相手が自陣で守りを固めて逃げ切りを図る状況で、右サイドからゴール前へ入り込み、積極的にボールに絡んだ。CK、FKのキッカーも任された。
最大の見せ場は38分だった。ゴール正面で、左からの折り返しを左足で直接狙った。決定的なシュートは右ポストを直撃。デビュー戦初ゴールは、わずかな差で夢と消えた。
それでも、ミランのアレグリ監督は「チームメート、イタリアのサッカーを理解しなければならないが、デビュー戦としては上出来」と、まずは合格点を付けた。サッスオロのディフランチェスコ監督も「質の高い左足がある。冷静さとプロ意識がある。ミランが獲得した選手だけに、あの状況で本田を起用したのもうなずける」と高く評価した。
本田は試合後、ファンとの記念撮影には応じたが、取材エリアを無言で通り過ぎた。夢に見た欧州屈指の名門で、担う役割は低迷脱出への攻撃のけん引役。戦いは始まったばかりだ。(レッジョエミリア時事)