「女子マラソンを目覚めさせる走り」だった…
「女子マラソンを目覚めさせる走り」だったという。スポーツジャーナリストの増田明美さんがテレビの実況中継で話していた。東京五輪代表キップの最後の1枚を争うMGCファイナルチャレンジ第2戦の大阪国際女子マラソンで、松田瑞生(みずき)選手(ダイハツ)が最有力候補に躍り出た。
五輪代表の設定記録2時間22分22秒の突破が代表入りの最低条件。このハードルも結構高く、第1戦のさいたま国際ではクリアした選手が出なかった。
松田選手はこの条件のはるか先、五輪レースで外国勢と渡り合えるレベルで快走した。序盤からペースメーカーを前に引っ張る走りで、25㌔までの各5㌔が16分30秒台という2時間19分台を狙える日本記録ペース。
他の日本選手だけでなく、2時間20~21分台の外国選手も突き放したのである。後半はペースこそ落ちたが、粘り強く堂々と日本歴代6位の2時間21分47秒の自己新記録で走り切ったのだ。
この結果、ハードルは一段と高くなった。最後のチャレンジとなる3月の名古屋ウィメンズでは、松田選手の記録を超えなければ代表キップを手にできない。今回以上にレースを勝ち抜く強さ、速さが求められる。
代表に選ばれるのは松田選手かあるいは名古屋の勝者か。いずれにせよ、松田選手が五輪本番レースで日本選手が外国勢と争えるレベルに引き上げた。すでに代表内定の前田穂南、鈴木亜由子両選手をも「目覚めさせる」走りを見せたのである。