福島県のJR郡山駅で下車した。駅内の観光…


 福島県のJR郡山駅で下車した。駅内の観光案内所前では磐越西線120周年を記念する展示が行われていた。郡山―会津若松間に鉄道が開通したのは1899年で、当時は岩越鉄道と呼ばれた。

 以来、現在までの歴史が年表と写真で紹介されていた。子供の頃から乗ってきた路線で、いろいろな思い出がある。郡山駅から向かうと磐梯熱海駅から上り坂となり、中山宿駅にはスイッチバックがあった。

 勾配が急で登れず、いったんバックしてから上りの線路に連結された。停車したり動いたりと時間を要したが、今は使われていない。1997年に駅が西に移ってトンネルに入るようになった。

 猪苗代湖の湖岸に遊びに行くのに夏、志田浜仮乗降場を使っていたが、69年に廃止された。変わらないのは麓から見える磐梯山の絶景だ。翁島駅を過ぎると路線は繰り返し大きく蛇行する。

 磐梯山が前に見えたかと思うと右に見え、左に見え、また右に見えて面白い。しかも緩やかな傾斜のある高原地帯を走っていくので、気持ちまで伸び伸びする。磐越自動車道ができて車を利用する人も多いが、鉄道路線に比して景色は単調。

 磐越西線は会津若松からさらに新潟県の新津駅まで続く。飯豊山の登山口、山都駅を過ぎると列車は阿賀川、さらに阿賀野川に沿って走り、谷川と森の景色が素晴らしい。そのため「森と水とロマンの鉄道」と呼ばれている。いまさらながらルート選択の妙味に心打たれた。