準備なき南北統一は「大当たり」ではない


韓国紙セゲイルボ

 北朝鮮の対中貿易依存度は2000年20・4%から13年89・1%にまで上がった。鉄道、地下資源にも中国の影が深く入り込んでおり、北朝鮮の対中依存度は高まっている。

 もし北朝鮮で急変事態が起これば、北首脳部は中国にSOSを出す可能性が大きい。中国は即座に派兵するだろう。北朝鮮内の自国投資施設を保護し、南側の米軍を牽制(けんせい)するという実利的目的もある。

 09年に北朝鮮境界地域住民約1000人を対象にアンケート調査をしたところ、北朝鮮崩壊時、中国との統合を望むが40・1%にも達した。韓国との統一を挙げた27・1%よりはるかに多かった。比較的、韓国事情に明るい境界地の住民の認識ですらこうだ。

 韓国はさらに問題だ。世代の区別なく統一の正当性は認めながらも、大多数が負担は負いたくない。まして、命がかかった統一戦争など考えることさえできない。

 南北対話の通路を通さなければならない。まず、北朝鮮で最も切実な食糧問題から出口を探る必要がある。国連によれば、北では来年120万㌧の食糧が不足する。韓国は備蓄米136万㌧が倉庫に眠っている。過剰在庫の出口戦略として対北支援を考慮する時だ。“むやみに与える”式援助でなく、地下資源などと対等交換する有償原則を堅持する。北朝鮮を改革開放に引き出しさえすれば、中国傾倒現象と統一費用という二つの雷管をひとまず緩和する効果がある。

 「統一は盗人のようにやって来る」という。だが何の対応なしで泥棒を入れれば家は滅びる。準備のない統一は大当たりでなく乞食だ。

(裵然國(ペヨングク)、11月12日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。