韓国大統領、日本の知恵・決断に期待

国交正常化50年「未来志向元年」

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8月15日、ソウルで行われた「光復節」の記念式典で演説する韓国の朴朴槿恵大統領(AFP=時事)

 【ソウル上田勇実】韓国の朴槿恵大統領は15日、日本の植民地統治が終わった日を記念する光復節の69周年行事で演説し、来年が日韓国交正常化50年の節目であることに触れながら、「両国が新しい未来に向け出発する元年になるため、日本の政治指導者の知恵と決断に期待する」と述べた。

 朴大統領は、日韓間の課題として改めて「日本の政治指導者の正しい歴史認識」と「軍慰安婦被害者が納得する前向きな措置」を指摘。日本の一部政治家が「両国国民の心情を二つに裂き、傷つけている」という現状認識を示した。

 ただ、集団的自衛権行使容認に向けた動きには言及せず、一定の配慮は見せた形。大統領として国交正常化50年を前に年内の関係修復に含みを持たせた。

 一方、朴大統領は、北朝鮮が核開発やミサイル発射で韓国をはじめ周辺国の脅威になっていることについて「決して容認できない」とし、核放棄を促した。

 冷え込んでいる南北対話と関連し朴大統領は、韓国政府が提案した南北高位級会談に応じるよう北朝鮮に求めた。

 朴大統領は今年4月に南西部沖で起きた旅客船「セウォル号」沈没事故などを念頭に「長年積み重なった非正常的な慣行や弊害を正す大革新をなす」と語った。