韓国紙セゲイルボ

　韓半島周辺国家の連鎖的な核兵器開発という“核ドミノ”現象を遮断し、韓半島での核対決による共倒れを避ける究極的な方法は、北朝鮮がすべての核兵器を廃棄することだ。その第一歩は北朝鮮が進める全ての核関連活動の凍結を宣言し、６カ国協議に復帰することだ。

　２００５年９月の第４次６カ国協議で採択した９・19共同声明は、韓半島の非核化を検証可能な平和的な方法で達成することが６カ国協議の目標であることを確認し、このため北朝鮮はすべての核兵器と現存する核計画を放棄することを約束した。

　今この瞬間にも北朝鮮と米国は６カ国協議再開の必要性を全面否認してはいない。しかし、北朝鮮は米国に、対北敵対視政策を先に撤回することを要求し、米国は北朝鮮に優先的に真の非核化意思を見せることを注文している。お互いの誠意を疑っているのだ。

　だが、北朝鮮の「核・経済並進路線」と米国の「戦略的忍耐政策」が平行線を走る限り、北朝鮮の非核化のための転換点を期待することは難しい。

　韓国政府の北核政策もやはり戦略的忍耐政策の延長線上にある。韓米両国に向かって、北朝鮮を交渉テーブルに引き出すために敷居をまず低くしろとの注文をすることになる理由だ。

　韓米の敷居を低くすることだけでは足りない。北朝鮮は、やはり具体的な非核化の意思を見せなければならない。北朝鮮がすべての核活動の凍結を宣言して６カ国協議に復帰することこそ、北朝鮮の非核化意思を関連当事国が本当に確認できるバロメーターである。

（文秉喆〈ムンビョンチョル〉ソウル大社会科学研究院研究員・国際政治学、５月16日付）

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。