ラスベガスで主役「4Kテレビ」、普及に課題
米家電見本市で自動車メーカーが存在感
ソニー、東芝など日本の電機大手各社は、米ラスベガスで7日(日本時間8日)開幕した世界最大の家電見本市「国際CES」で、高画質の「4Kテレビ」を展示の主軸に据えた。テレビ事業の不振に苦しんできた各社は、「大画面と高精細画像への需要は大きい」(東芝の徳光重則常務)とみて、4Kを巻き返しの核とする方針だ。ただ、現時点で対応するテレビ番組がなく視聴機会が限られるなど、普及への課題も残る。
サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会に合わせて今年夏、日本で4Kの試験放送が始まる。東芝が新たに生産する58インチ以上の大型テレビを全て4Kにするなど、各社は商品拡充を急ぐ。
とはいえ、4K対応番組の本格放送はまだ先。ソニーが「テレビ本体だけでなくコンテンツにも力を入れる」(平井一夫社長)としてインターネットで4K対応の映画配信を行うなど、普及に躍起だ。ただ、映像ソフトなどの不足は否めず、業界内でさえ「4K時代が来るには時間がかかる」(水嶋繁光シャープ副社長)との見方が根強い。
4Kの価格は50インチ台で平均40万~50万円と、2011~12年の発売当初に比べて半分ほどに下落した。販売を伸ばすには価格低下が不可欠で、「手頃な水準」(電機大手関係者)になったというのが各社の認識だ。
一方、自動車業界からは今回、トヨタ自動車やマツダ、米ゼネラル・モーターズ(GM)など過去最高の9社が参加した。部品メーカーの出展も増え、自動車関連の展示スペースは昨年より25%拡大。「CESは重要なモーターショーの一つ」(自動車業界関係者)となっている。
燃料電池車や電気自動車を出展したトヨタは「世界有数の展示会で技術をアピールできるチャンス」(広報担当者)と意気込む。独自動車大手アウディはホンダなどとともに、米IT大手グーグルと組んで携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を基盤とした車載情報システムの共同開発に乗り出す方針だ。(ラスベガス時事)