南極観測船「しらせ」、3年ぶりに昭和基地接岸


南極観測船「しらせ」、3年ぶりに昭和基地接岸

 政府の南極地域観測統合推進本部(事務局・文部科学省)は5日、南極観測船(海上自衛隊砕氷艦)「しらせ」(1万2650トン、日高孝次艦長)が日本時間4日午後10時半に昭和基地沖に接岸したと発表した。昭和基地沖の海氷は近年分厚く、接岸できたのは3年ぶり。

 第55次観測隊(隊長・宮岡宏国立極地研究所准教授)の本隊は2013年12月14日にヘリコプターで先に昭和基地に入った。沖合の海氷は厚さ約6メートルで、その上に約2メートルの雪が積もるが、年明けに天候が回復し、砕氷航行で燃料油のパイプライン輸送が可能な約600メートル手前までたどり着いた。

 今後ヘリや雪上車も使った物資輸送を本格化させる。南極最大の大気観測レーダーの建設を続け、2月中旬に越冬隊交代を経て、しらせは4月7日に東京・晴海に帰る予定。

 しらせは54次隊では昭和基地の18キロ手前、53次隊では21キロ手前で接岸を断念していた。