師走に満開、チームカラーに身を包む「桜女子」


C大阪が過去最多の観客動員を記録、7割は女性

師走に満開、チームカラーに身を包む「桜女子」

C大阪のファン感謝祭で、女性ファンと記念撮影する柿谷曜一朗(右から4人目)=大阪市

 チームカラーのピンク色に身を包む「桜女子」が、師走に満開。C大阪が今季Jリーグ1部(J1)で4位と躍進し、ホームでの年間入場者数も31万9928人と過去最多を記録した。攻撃サッカーを信条に勝ち点を積み上げるチームに観客は沸き、台頭する若手に女性ファンはとりこになった。

 大阪市の舞洲にある練習場に、夏頃から変化が表れた。以前はまばらだった見物客が、シーズン終盤の12月には600人前後、集まることもあった。クラブ広報によると「7割近くは女性です」。お目当てはクラブのユース出身で7月の東アジア・カップで脚光を浴び、顔立ちも端正な柿谷曜一朗や山口蛍。「『イケメン』効果でしょう。女性は1人ではなく、誰かを誘ってくる。柿谷や山口が代表で顔を売り出し、チームも好調で注目されたのが大きい」と広報は続ける。

 選手のサービス精神も旺盛だ。練習後の柿谷はサインに握手に記念撮影と大忙し。時には2時間以上も、懇切丁寧に接する。代表で活躍する柿谷をお目当てに、練習を見に来始めた大阪市の女性会社員(23)は「みんな優しくて気さく。すごく身近に感じた」と笑顔。今では友人と一緒に、ホーム試合のほとんどを観戦するという。

 これにはクラブもうれしい悲鳴を上げる。グッズ収入は前年比で1・5倍となり、柿谷関連の売上数は同6倍。大きくなった声援は選手の背中を押し、「ファンがたくさんで楽しかったし、モチベーションにもなった」と柿谷。集客に苦しむクラブが増える中で、育成の成功が好影響を生む良いお手本といえる。今季得た「財産」を来季に生かしたい。