日航、ジャンボ機事故の展示施設を移転
スペース拡大、安全策もパネルで
1985年に起きた日本航空ジャンボ機墜落事故で、機体の一部や乗客らの遺品を展示する「安全啓発センター」が移転し、10日に再び開館した。スペースが広がり展示品が見やすくなった他、事故防止に向けた同社の取り組みがパネル展示として新たに加わった。
センターは2006年4月、社員教育のために東京都大田区の羽田空港近くに開設されたが、建物老朽化などに伴い、近くの別のビルに移転が決まった。
移転先の展示品は従来と同じだが、約650平方メートルから約740平方メートルに拡張。従来は分割されていた事故機の垂直尾翼が一続きに横たえて展示され、10メートルの長さが一目で分かるように。事故原因とされる圧力隔壁も、修理ミスのあった部分を見やすく配置した。
併設された資料室には、事故に関する資料や世界中の事故情報がまとめられた他、「事故から何を学び、何をやるかが大事」(同社幹部)として、同社の取り組みが書かれたパネルが加えられた。
見学した同社地上職員の古屋啓樹さん(29)は、「事故を知らない社員が増える中、風化させないための役割は大きいと思った」と話した。