仏風刺報道受け、パリで復興紹介イベント


福島原発事故の風評を一掃へ

仏風刺報道受け、パリで復興紹介イベント

 東京電力福島第1原発事故に関連し、フランスで日本のスポーツ選手をやゆする報道が続いたことなどを受け、福島県は5日、現状を正しく理解してもらい、風評被害を一掃するため、来年1月下旬にパリ市庁舎で、復興状況を紹介するイベントを開催することを決めた。同庁舎で日本の自治体がイベントを開くのは初めてという。

 フランス国営テレビは2012年10月、サッカー日本代表GKの川島永嗣選手の腕が4本ある合成写真を流し、司会者が原発事故と結び付ける発言をした。今年9月にはフランスの週刊紙が汚染水問題を報じた記事で、手や脚が3本ある人物を描いた風刺画を掲載し、問題となった。

 県によると、イベントにはテレビ局、新聞社など仏メディアやパリ市の関係者ら計約100人を招待する。桜が満開の鶴ケ城(会津若松市)で住民が観光客を案内する様子などを、映像やパネル写真で紹介。地酒などの名産品を展示し、収穫された米の全袋検査の状況も伝え、県産の食品の安全をアピールする。

 これに合わせて、世界最高峰のインテリアデザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ」にも参加。県として初めてブースを設置し、会津漆器や、NHK大河ドラマ主人公の新島八重をモチーフに作ったオリジナル家具などの出品を予定している。

 フランスでの一連の報道に先立つ12年8月、佐藤雄平知事との会談でドラノエ・パリ市長は、「福島の現状を正しく伝える役割を果たしたい」と言及していた。