小笠原諸島に絶滅危惧種アホウドリの親子


東京都などが聟(むこ)島で確認、戦後初めて

アホウドリ

小笠原諸島の聟(むこ)島で確認されたアホウドリの親鳥(雄)とひな(腹の下)=9日、同島(山階鳥類研究所撮影、東京都提供)

 東京都などは15日、絶滅危惧種アホウドリの繁殖に取り組んでいる小笠原諸島(東京都小笠原村)の聟(むこ)島で、初めてひなが生まれたのを確認したと発表した。2014年5月に同島から約5キロ南の媒(なこうど)島でひなが見つかったが、親鳥とひなが一緒にいる姿が確認されたのは戦後初めて。

 山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)の研究員が今月9日、巣にいる雄の親鳥とひなを発見した。雄は、聟島を新しい繁殖地にするため、環境省が08年に伊豆諸島の鳥島(東京都)から移送した個体のうちの1羽。野生の雌とつがいになり、12年から3年連続で卵を産んだことが確認されたが、ふ化には至らなかった。

 アホウドリは国の特別天然記念物で、鳥島を中心に約3900羽いると推定されている。羽毛の採取を目的に乱獲され、小笠原諸島では絶滅。繁殖地は鳥島などに限られていた。