WWFジャパン、ネイルアートで保護啓発
ジャイアントパンダやニホンウナギなどの絶滅危惧20種
指先をおしゃれに彩るネイルアートで、動物保護への関心を高めるプロジェクトが行われている。国際的な環境NGOの世界自然保護基金(WWF)ジャパンが、ジャイアントパンダやニホンウナギなど絶滅の恐れがある野生生物20種を表したデザインを公表。協力するネイルサロンは施術や、保護活動への支援金の寄付協力を呼び掛けている。
プロジェクト名は「Donail(ドネイル)」。寄付を意味する「Donation」と「Nail」を組み合わせた。絶滅危惧種を掲載する国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストから20種を選んだことにちなみ、デザインは薬指の爪を赤色で統一した。
取り組みに賛同するサロンの一つ、erikonail(東京都渋谷区)では、WWFジャパン公表のデザインを顧客の雰囲気に合うようアレンジし、関心を集めている。「斬新です」と笑う同社スペシャルネイリスト遠坂愛さんの指先にはボルネオオランウータンのアート。肌になじみやすいオレンジ色を用い、毛足の長い布地「ベロア」に似た流行の質感でふさふさした手触りに仕上げた。
「保護活動はハードルが高いと思われがち。気軽に楽しみながらできる方法を考えた」とWWFジャパンの住友ららさんは語る。サロンなどには写真共有サービス「インスタグラム」に施術したネイルの写真を載せるよう呼び掛け、支援の輪の拡大を目指す。
今後は、売り上げの一部が寄付に回されるネイルシールを新たに販売するほか、デザイン数をさらに増やす。住友さんは「地球温暖化など、生息地で何が起こっているかという背景にまで踏み込んだ会話につながってくれるといい」と期待を込めている。