競馬有馬記念、ゴールドアクターG1)初制覇
吉田隼人騎手、「先生」が夢を現実に
8番人気の伏兵ゴールドアクターが、G1)2度目の挑戦で有馬記念を制した。吉田隼騎手は12年目で初のG1)勝利となり、「何とも言えない気持ち良さ。騎手として夢見ていたことがかなった」。自然と笑みがこぼれた。
道中は人気馬キタサンブラックを前に見る形の3番手。最後の直線で機をうかがってスパートし、「自分も最後はがむしゃらに叫んでいた。いいレースができて、馬に根性もあった」と吉田隼。差し切ったゴール後すぐに、馬上で左手を高く掲げて喜びを表現した。
吉田隼はゴールドアクターの2歳時を振り返り、「最初は子どもで小うるさかったのに、うまい競馬をするようになった」と成長を認めた。中川調教師も「ひ弱さがなくなった。ここまで力をつけるとは思っていなかった」と目を細める。
吉田隼は昨年7月、知人に暴力を振るって罰金刑を受け、騎乗停止処分を科された。「くじけそうになった時期もあったが、この馬がこの舞台に連れてきてくれた。これからも教わっていきたい」。感謝を込めて「先生」と呼ぶゴールドアクターとともに最高の形で1年を締めくくった。