隈研吾さん「皆さんの熱い思いに応えたい」


JSCがA案を採用、新国立は来年12月着工

隈研吾さん「皆さんの熱い思いに応えたい」

新国立競技場のデザインが採用され、取材に応じる建築家の隈研吾さん=22日午前、東京都港区

 新国立競技場に採用が決まったA案をデザインした建築家の隈研吾さんが22日午前、東京都港区の事務所で取材に応じ、「すごく責任あるプロジェクトに携わることが決まった。工期やコストなどハードルは高いが、皆さんから熱い声がたくさん届いている。その思いに応えるようなものにしていきたい」と、にこやかな表情で語った。

 A案が選ばれた決め手を問われると、「(新競技場建設予定地の)近くに住んでいるので、環境に対して少しでも優しくしたいと、高さを抑えるなどした。その近隣住民としての思いに、ちょっと点数が高くついたのかな」と顔をほころばせた。

 当初採用された建築家ザハ・ハディド氏の案は、総工費が当初の予定より大幅に膨らみ、批判を受け白紙撤回された。隈さんはこうした経緯を踏まえ、「皆さん、税金の使い方に関心が高いので、無駄なコストは掛けられない。これからの建築はある意味、コストが一番大事になる。そういう時代に合った作り方をしていきたい」と力を込めた。