努力と気配りの人、八角親方が新理事長に就任


「みんなと連携を」、任期は3ヵ月「全員一丸で」

努力と気配りの人、八角親方が新理事長に就任

記者会見する日本相撲協会の八角新理事長=18日、東京・両国国技館

 新理事長に就いた八角親方は努力の人だ。体格、素質とも抜群とは言えなかった現役時代。千代の富士(現九重親方)の胸を借りて猛稽古を積み、横綱に昇進。深刻な腰痛を乗り越え、1992年に引退するまで8度の優勝を遂げた。

 激しい突き押しで攻めた土俵上とは対照的に、性格は温厚。周囲への気配りもこまやかだ。絶対的な存在だった北の湖理事長が急死するという非常事態の中、豊かな協調性は相撲協会を運営する上で欠かせない力となる。

 以前から口癖のように「協会をどうしていくのか、みんなと連携しないと、いい仕事はできない。一人の力では難しい」と話していた。協会ナンバー2の事業部長として積んだ経験だけでなく、こういった姿勢も支持を集めたものとみられる。

 相次ぐ不祥事で落ち込んだ客足も回復。今年は6場所90日のうち、86日で大入りとなった。この流れを、さらに強めなければならない。「いくらお客さんが来ても、いい相撲を見せなければ、相撲の発展はない。土俵の充実は絶対」。当面の任期は3カ月とはいえ、背負うものは大きい。