あかつきチーム、金星到着「心の底から実感」
今村准教授「画像に興奮ハイタッチ」、広瀬研究員「家族に感謝」
5年越しの軌道投入に成功した金星探査機「あかつき」。責任者を務める宇宙航空研究開発機構(JAXA)の中村正人教授らは9日夕、相模原市のJAXA宇宙科学研究所で記者会見し、「金星に到着したという実感が、心の底から湧き上がった」と喜びを口にした。
会見の冒頭、中村教授はあかつきの模型を前に立ち上がり、「投入オペレーションは成功しました」と宣言。打ち上げ前に描かれたポスターを示しながら、「まさにこの状態で投入したことになり、感慨深い」とかみしめるように語った。
観測責任者の今村剛准教授は、カメラのテストを兼ねて撮影された金星の画像を見た瞬間に、「雄たけびを上げてハイタッチした」と笑顔で振り返り、「困難な立場からミッションを可能にした皆さんには頭が上がらない」と感謝した。
再投入に向け、軌道計算を担当した広瀬史子主任研究員は「2歳になる娘が、あかつき頑張ったねと言ってくれた。まずは家族に感謝したい」。さらに「投入前日に夫が、とうにゅう(豆乳)鍋を作ってくれて3人で食べた」と明かし、笑いを誘った。