映画「海難 1890」、史実をもとに制作


深い日本とトルコの絆を描く、主演は内野聖陽

映画「海難 1890」、史実をもとに制作

医師・田村役の内野聖陽(左)と、ヒロインのハルを演じる忽那汐里

 1985年、イラン・イラク戦争において、自国の救援機を出さなかった日本に対し、トルコ共和国が救援機提供をすることで、テヘランからの邦人215名が脱出に成功した。

 また1890年9月、オスマン帝国の親善使節団一行を乗せた「エルトゥールル号」は、和歌山県樫野崎沖で台風に遭遇し、座礁して海難事故となったが、日本人による献身的な救助活動により69名の命が助かった。

 本作はこれらの史実をもとに、日本外務省の後援とトルコ政府の全面的協力により製作された。

 撮影は、2014年12月、京都から始まり、淡路島、海難事故が起きた和歌山県串本町に建てられた当時の漁村を再現したオープンセットなどで、約2カ月行われた。

 その後、トルコ・イスタンブールのトプカプ宮殿内のアヤ・イレニ、15世紀から東西交易で栄えたマーケットのグランド・バザールなど歴史的建造物でのロケも敢行。

 またアンタルヤには全長30㍍の「エルトゥールル号」の甲板セットを作り、沈んでいく船を懸命に守ろうとする船員たちの姿をリアルに描く。

 クライマックスのメヘラバード空港のシーンではエキストラ・スタッフを併せて約1000人にのぼる大掛かりな撮影となった。

 海難事故に遭遇した医師で主役の田村を内野聖陽が演じ、田村の助手として人命救助に努めるヒロインのハルを忽那汐里が演じている。

 監督は田中光敏。撮影監督は永田鉄男。トルコの制作プロダクション、ボジェッキ・ヤプムのスタッフと共に雄大な映像を作り上げている。(森 啓造)