稲盛財団から2015年「京都賞」を3人が授与


太陽系外惑星発見のマイヨール氏、化学の国武氏ら

稲盛財団から2015年「京都賞」を3人が授与

京都賞を受賞し、記者会見で記念撮影する(左から)九州大の国武豊喜名誉教授、ジュネーブ大のミシェル・マイヨール名誉教授、ハンブルク・バレエ団のジョン・ノイマイヤー総裁・芸術監督=10日午後、京都市左京区の国立京都国際会館

 太陽系以外の惑星を20年前に初めて発見したスイス・ジュネーブ大のミシェル・マイヨール名誉教授(73)ら3人が10日、京都市内で稲盛財団から2015年の京都賞を授与された。受賞者はマイヨール氏のほか、分子組織化学の国武豊喜九州大名誉教授(79)、ハンブルク・バレエ団のジョン・ノイマイヤー総裁・芸術監督(73)。

 マイヨール氏は1995年、ペガスス座の方向にある恒星の周りを木星のような惑星が回る様子を観測。記者会見で「公転周期は10年超と予想していたが、4・2日だった。確認に6カ月以上かけてから発表した」と話した。

 探査機が到達できない遠い星で生命を見つけるには、証拠となる大気中の物質を特定する必要があり、発見できるとしても1世代ぐらい後になるとの見方を示した。

 国武氏は77年に生物の細胞膜の基本構造である脂質二分子膜が、人工の分子でも集まってできることを発見し、新分野の分子組織化学を開拓した。国武氏は「当時は人間に簡単に作れるものではないと思われていたが、材料が当たって成功した」と振り返った。