カフェ・本・家電、「ライフスタイル」売ります
増える融合店舗、「リアルの店舗の良さを知ってもらいたい」
衣類や雑貨の間に、雑誌、書籍、絵本。衣料品店、書店といった単一の商品を売る専門店が、異業種の商品を扱い、「ライフスタイル」を提案する売り方が目立ち始めた。客にその商品がある生活をイメージしてもらうことで、購買意欲を盛り上げる狙いだ。
9月4日に改装オープンした「無印良品有楽町」(東京都千代田区)には、以前から扱う衣類や家具の売り場の各所に、商品から連想されるテーマの書籍など計2万冊が並ぶ。店舗を運営する良品計画は「インターネットの普及で効率的な生活ができるようになった今こそ、本で思いがけない発見やヒントを得てほしい」(広報)と説明する。
東京・二子玉川駅近くの「蔦屋家電」(東京都世田谷区)は、書店と家電店の融合店。居心地の良いソファと観葉植物が配置された店舗では、本棚に囲まれてテレビや掃除機が陳列されている。カフェも備えており、客はソファに座ってコーヒーを片手に、欲しい本や家電を選べる。
若者離れが続く百貨店業界も、新たな売り方に関心を寄せる。西武池袋本店(東京都豊島区)が婦人服フロアに昨年開設した「ハニカムモード」は、衣類の他、書籍や雑貨を扱い、スムージーが飲めるバーも併設。客を対象に開くヨガ教室は盛況だ。売り場担当者は「ネット通販も良いが、リアルの店舗の良さを若い人たちに知ってもらいたい」と話している。