遺族や政府関係者ら440人が鎮魂の祈り
御嶽山噴火から1年、長野県王滝村で追悼式
58人の死者と5人の行方不明者を出し、戦後最悪の火山災害となった御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火から1年を迎えた27日、麓の長野県王滝村で犠牲者の追悼式が開かれた。遺族や政府関係者、地元住民ら440人が参列し、噴火時刻の午前11時52分に全員で黙とうした。
遺族を代表してあいさつに立った伊藤ひろ美さん(54)は、亡くなった夫保男さん当時(54)について「心優しい人だった。感謝の気持ちを表してこなかったことを今でも悔やんでいる」と悼んだ。火山防災体制の整備の重要性を訴え、「被災者家族も登山者の意識向上のため努力しなければならない」と決意を述べた。
長野県の阿部守一知事は「再び多くの方に愛される安全な御嶽山になり、二度と火山噴火の犠牲者が出ないよう全力を傾注したい」と語った。山谷えり子防災担当相もお悔やみの言葉を述べた。
その後、遺族や来賓は白い菊の花を献花台に供えて手を合わせ、思い思いに犠牲者をしのんだ。時折目元にハンカチを当てる人の姿も見られた。
式典は、長野・岐阜両県の麓の4市町村が主催した。