ソフトバンクが独走で連覇、交流戦で勢い
工藤公康監督は就任1年目でリーグ制覇
ソフトバンクがパ・リーグ2連覇を遂げた。優勝へのマジックナンバー1で迎えた17日、西武を5-3で退け、16試合を残して、2010、11年以来となる連覇を決めた。
工藤新監督の下、新たなスタートを切ったソフトバンクは開幕からじわじわと調子を上げた。交流戦勝率1位を記録した6月に16勝5敗の好成績で勢いづき、8月5日に早々とマジック38を点灯させて独走した。
9月17日の優勝決定は、1964年の南海、95年のオリックスが優勝した際の9月19日を上回ってリーグ最速。残り16試合での優勝はリーグ2番目のスピード記録となった。(73~82年の前後期制を除く)
投打の主役がそろい踏みした勝利で、ソフトバンクが独走のゴールテープを切った。金色の紙吹雪が舞う中、本拠地ヤフオクドームで9度宙を舞った工藤監督は「最高でした。優勝できてうれしいが、心のどこかでほっとしている。本当に選手がよくやってくれた」と感謝した。
一回は今季から主将となった内川が先制打。その後は2本の併殺打が出るなど、攻めあぐねたが、四回には松田、長谷川の連続アーチで一気に流れを引き寄せた。昨年リーグ最終戦で優勝を決めるサヨナラ打を放っていた松田は「(1死満塁の)1打席目で打てなかったので、良かった」。大事な試合で無類の勝負強さを発揮した。
投げてもチームの勝ち頭の先発武田が7回1失点。五回に無死満塁とされたが、最少失点に抑えて最大のピンチを切り抜けた。最後の2死満塁の場面では脇谷に対して、さらに一段階ギアを上げた力強い腕の振りから146キロの速球で空振り三振。技術だけでなく気持ちの強さを見せた。
終盤に失速しながら僅差で優勝した昨年から、新監督の下でもチームとして成熟した姿を見せて連覇。2位以下を大きく突き放して、ペナントレースを駆け抜けた。クライマックスシリーズからは短期決戦となるが、工藤監督は「向かっていく気持ちで1年やって来られた。このまま勝っていける」。力強い歩みは止まりそうにない。