シリア国民の半数の1160万人が避難生活


内戦の長期化で、難民は今後も増加の一途

シリア国民の半数の1160万人が避難生活

ヨルダン北部マフラク近郊の難民キャンプで遊ぶシリア難民の子供=2月21日(EPA=時事)

 2011年の民主化要求運動をきっかけとするシリア内戦が泥沼化する中、シリア国民の半数に相当する1160万人が国内外で避難生活を送っている。長期化する内戦の決着が見通せない中、難民は今後も増加の一途をたどり、欧州への人の流れの加速は避けられない情勢だ。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、トルコやレバノンなど近隣の中東各国に逃れたシリア人の数は今年7月時点で400万人に達した。これとは別に、少なくとも760万人が既にシリア国内で避難生活を強いられている。シリアの人口は11年以前の段階で約2300万人だったとみられる。

 UNHCRのグテレス高等弁務官は「一つの紛争による避難者数としては、ここ数十年では最多だ」と強調。人道危機の深刻化を防ぐため、欧州各国を含む国際社会に積極的な受け入れを要請している。(カイロ時事)