北米最高峰マッキンリー、「デナリ」に改称
先住民の言葉で「偉大な存在」、植村直己さんが消息を絶った山
ホワイトハウスは30日、米アラスカ州の山で、北米大陸最高峰のマッキンリー(6168メートル)を、アラスカ先住民が呼んできた「デナリ」に改称したと発表した。先住民の言葉で「偉大な存在」を意味し、オバマ大統領が31日にアラスカ州で正式に宣言する。
マッキンリーは1984年2月、登山家で冒険家の植村直己さんが消息を絶った山。日本でも広く知られた山の名だった。
1896年、金採掘業者が当時の大統領候補ウィリアム・マッキンリーにちなみ名付けた。マッキンリーはその翌年、第25代大統領に就任した。
しかし、先住民はその前から「デナリ」と呼んでおり、アラスカ州政府は1975年以来、デナリを公式に使うよう連邦政府に働き掛けてきた。
改称にはマッキンリー大統領の出身地オハイオ州に反対意見があったものの、ホワイトハウスは30日の声明で「マッキンリー大統領はアラスカに足を踏み入れたことはない」と指摘。一帯が先住民にとって「聖域」であることから改称を決めたと表明した。
オバマ大統領は31日から3日間の日程でアラスカ州を訪問し、気候変動対策を協議。北極圏の海面上昇に直面する先住民とも意見を交換する。(ワシントン時事)