日本生命が都市対抗野球で激闘制して4度目V
昨年の屈辱バネに、延長十四回、大阪ガスを5-3で下す
五回途中から9イニング余りを投げ抜いた藤井貴が最後の打者を投ゴロに打ち取る。その右腕を中心に日本生命ナインの歓喜の輪ができた。決勝では最長に並ぶ延長十四回の激闘を制し、就任2年目の十河監督は「勝利への執念が、うちの方が少し勝ったのかな」。
エース佐川が2点を失い、後を受けた藤井貴も六回にソロを許したが、打線が反撃して振り出しに戻した。「追い付いてくれたので最後まで、と思った」と藤井貴。十回1死満塁のピンチをしのぐなど、気迫を込めて腕を振った。
力投は報われた。十四回、2死満塁で広本の詰まった打球が左前へ。「同期の藤井が粘っていたので勝たせてあげたかった。落ちてくれと思った」。18年ぶりの日本一を引き寄せる2点を奪った。
正捕手の小林(巨人)ら主力4人をプロに送り出して迎えた昨年は、初戦で敗退。十河監督は「会社からはかなり厳しいことを言われた」と明かした。伝え聞いた選手も「絶対にやり返してやろうと全員が思った」(広本)。わずか一年で借りを返してみせた。