地球外知的生命を探査へ、過去最大の計画を始動
英ケンブリッジ大のホーキング博士らがロンドンで発表
「車いすの天才宇宙物理学者」として知られる英ケンブリッジ大のスティーブン・ホーキング博士(73)は20日、ロンドンで、地球外の知的生命体を探査する過去最大の計画を始動させると発表した。博士は「暗黒の中で地球人は果たして孤独な存在なのか、知っておくことは重要だ」と述べた。
新探査計画は、ロシアの富豪ユーリ・ミリネル氏から10年間で1億ドル(約124億円)の支援を受ける。ミリネル氏は「宇宙における知的生命体探査を新段階に引き上げる」と決意を語った。
ミリネル氏によると、従来の探査では1年かかっていたデータ収集を新計画では1日以内で行う。遠い宇宙での電波やレーザーのやりとりを探すのは今までと変わらないが、専門家らはこれまでより50倍の感度で10倍広い宇宙空間を探査することになると期待している。
ホーキング博士はこれまでも「地球人が宇宙に発したメッセージの一つを他の文明が読むのは数十億年先になるかもしれない」「(地球人のメッセージが届いても)受け取った方は、バクテリアほどの価値も感じない恐れがある」と地球外生命への言及を続けてきた。
20日の会見では「無限の宇宙には、地球以外にも生命の痕跡があるに違いない。一方でどこかからか知的生命体が地球を見ているかもしれない。そろそろ答えを見つける時だ」と呼び掛けた。収集したデータは公開し、関心のある人は誰でも利用可能な状態にすることを目指している。(ロンドンAFP時事)