世界フェンシングで太田雄貴が金メダル


日本選手初の快挙、経験重ね届いた頂点、新たな扉開く

世界フェンシングで太田雄貴が金メダル

太田雄貴(EPA=時事)

世界フェンシングで太田雄貴が金メダル

男子フルーレ個人で4強入りし、ガッツポーズを見せる太田雄貴=16日、モスクワ(時事)

 悲願だった世界選手権の頂点。勝利の瞬間、太田はマスクの下から高揚した顔をのぞかせた。喜びをかみしめ、何度もガッツポーズを見せた。

 6月のアジア選手権を制し、勢いに乗っていた。「きょう取れないとおそらく一生取れない」。金メダルを目指し、緊張感を高めて臨んだ決勝トーナメント。持ち前のスピードを武器に、1回戦から早めに勝負を仕掛けて相手を寄せ付けなかった。世界6位のマシアラスとの決勝では、巧みに下がりながら攻撃をかわし、瞬時に反撃して先制ポイント。その後も接近戦で腕を返して背中を突くなど、多彩な攻めで主導権を握った。

 団体で銀メダルを獲得した2012年ロンドン五輪後に1年余り休養。東京五輪・パラリンピックの招致活動に携わり、13年秋に復帰した。今年11月で30歳。本人は体力面では以前との違いも感じているが、「筋力やスピードではなく、フェンシングが分かるようになってきた」。指導するウクライナ人コーチのマツェイチュク氏も「年を重ねた分、経験が大きい」と話す。

 これまでの世界選手権では、日本勢の最高成績は銅メダル。表彰式では感無量の表情で君が代を聴いた。「優勝のタイトルにすごく意味がある。これを若い世代に引き継いでもらいたい」。エースが、日本フェンシング界の新しい扉を開いた。(モスクワ時事)