夜間中学、外国人生徒8割、60歳以上28・5%


文部科学省が公立夜間中学の実態調査結果を初めて公表

夜間中学、外国人生徒8割、60歳以上28・5%

東京都内の夜間中学の授業風景

 文部科学省は8日、戦中戦後の混乱で義務教育を修了できなかった人や外国人が通う公立夜間中学について、初の実態調査結果を公表した。2014年5月1日時点で、8都府県31校に15歳以上の1849人が在籍し、うち81・0%に当たる1498人が外国籍だった。

 夜間中学の生徒数は近年、減少傾向にある。しかし、義務教育の未修了者ら夜間中学を必要とする人は全国に12万人以上いるとみられ、文科省は全都道府県に1校以上設置するよう呼び掛けている。

 夜間中学の生徒の年齢は、60歳以上が527人(28・5%)で最も多く、以下15~19歳277人(15・0%)、20~29歳271人(14・7%)と続く。13年度には309人が卒業し、進路は高校進学123人、就職107人などだった。

 主な入学理由は、日本人生徒では「中学の学力習得」が108人(30・7%)なのに対し、外国籍生徒は「日本語会話の習得」462人(30・8%)や「読み書きの習得」424人(28・3%)だった。

 ボランティアが運営する自主夜間中学などの取り組みも、夜間中学の未設置地域を中心に少なくとも37都道府県に307件あった。参加者は7422人で、外国人が4434人と全体の約6割を占める。ただ、開講頻度は週1回と少ないケースが176件(57・3%)と最も多かった。