投資会社バークシャー・ハサウェイが株主総会
「投資の神様」バフェット氏、浮沈乗り越え50年
米投資会社バークシャー・ハサウェイの株主総会が2日、本社のある米中西部ネブラスカ州オマハで開かれた。著名投資家ウォーレン・バフェット氏(84)が繊維会社だった同社の経営に乗り出して50年。石油ショックや金融危機など米経済の浮沈を乗り越え、同社は時価総額で米トップ5に入るまでになった。
節目となる総会には、過去最多となる「4万人以上の株主」(地元メディア)が米内外から参加する見込み。「投資の神様」にあやかろうと、経済動向の分析などが盛り込まれた毎年恒例の「株主への手紙」が注目されている。
バフェット氏は、割安に評価されている銘柄を長期で保有し、その企業の価値を引き出す投資哲学で知られる。バークシャーの保有銘柄には米清涼飲料大手コカ・コーラ、IBMなどが並び、保険、電力、鉄道など幅広い事業を傘下に収める。
学生時代にためた1万ドルから、今や約700億ドル(約8兆4000億円)に上る富を手にしたバフェット氏は、米誌が集計した最新の世界長者番付で3位。一方で、1958年に3万ドル余りで購入した自宅に住み続け、バークシャーから受け取る給与は年10万ドルで長年据え置き。米国の財政赤字問題で「富裕層への増税」を訴えるなど、「庶民派」の言動が人々の共感を呼んでいる。
ただ、米株価の約2倍のペースで増えた同社の企業価値の成長には陰りも見える。臆測が尽きない後継者問題でも、「同じようなカリスマ性を持った人物を見つけるのは難しい」(米系ファンド)と懸念する声がある。(オマハ〈米ネブラスカ州〉時事)