司会・俳優の愛川欽也さん死去、80歳


「キンキン」の愛称で親しまれ多彩に活躍

司会・俳優の愛川欽也さん死去、80歳

司会・俳優の愛川欽也さん死去、80歳

タレントの愛川欽也さんの遺影を持って自宅を出る妻のうつみ宮土理さん(右端)=17日午前、東京都渋谷区

 俳優、声優からテレビ・ラジオの司会まで多彩に活躍し、「キンキン」の愛称で親しまれたタレントの愛川欽也(あいかわ・きんや、本名井川敏明=いがわ・としあき)さんが15日午前5時11分、肺がんのため死去した。80歳だった。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。妻はタレントのうつみ宮土理(みどり)さん。

 劇団などを経て1960年代に吹き替え声優として活動後、ラジオの深夜放送「パック・イン・ミュージック」パーソナリティーとして人気に。74年からは大橋巨泉さんと共にテレビの深夜番組「11PM」の司会で活躍した。また菅原文太さん主演の映画「トラック野郎」を企画、自らも相棒「やもめのジョナサン」役で出演し、10作を数える人気シリーズとなった。

 78年にうつみさんと結婚、芸能界きってのおしどり夫婦「キンキン・ケロンパ」として知られた。2009年には東京都目黒区に小劇場「キンケロ・シアター」を開設し、「劇団キンキン塾」を主宰。近年はインターネット放送などでジャーナリスティックな活動にも取り組んでいた。

 1995年から司会を続けたテレビ東京の「出没!アド街ック天国」を今年3月の放送1000回で降板。事務所によると、愛川さんは昨冬、体調の不安を訴え、肺がんと判明、在宅治療を続けていた。仕事復帰の可能性に懸け、「息を引き取る直前まで『仕事に行こう』と寝言のように言っていた」という。