戦艦大和の元乗組員ら「伝承し平和貢献を」


広島県呉市の長迫公園で、沈没から70年戦没者を追悼

戦艦大和の元乗組員ら「伝承し平和貢献を」

戦艦「大和」の沈没70年の節目に行われた追悼式で、あいさつを述べる元乗組員の広一志・戦艦大和会会長=7日午前、広島県呉市

 旧日本海軍が建造した世界最大の戦艦「大和」が沈没して70年を迎えた7日、広島県呉市の長迫公園(旧海軍墓地)で追悼式が行われた。元乗組員や遺族、海上自衛隊の関係者らも参加し、戦死した乗組員に黙とうをささげ、「戦艦大和戦死者之碑」に花を手向けた。

 追悼式を主催した戦艦大和会会長で、元乗組員の広一志さん(91)=同市=は、「若い世代に伝承することを通じ、平和日本の繁栄と世界平和維持に貢献することが、(戦没者の)遺託に応える道と確信する」とあいさつ。式後、報道陣に対し、「初めて大和に乗ったのは17歳で、感慨深いものがある。(戦没者には)安らかに眠ってほしい」と話した。

 19歳で戦死した元乗組員の兄のため、9年ぶりに参列に訪れたという荒堀かおるさん(83)=和歌山県串本町=は、「兄は本当にかわいがってくれた」と涙ぐみ、「戦争の悲惨さ、遺族の悲しみを伝えていく責任を感じた」と話した。

 戦艦大和会は2005年ごろから会員の高齢化で活動が難しくなっていたが、昨年、市民らが集まり活動を再開。戦後70年の節目に、乗組員や遺族の思い、平和への願いを次世代に伝えていくため、追悼式を行うことになった。

 大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)によると、大和は1941年に呉海軍工廠(こうしょう)で建造され、全長263メートル、最大幅38・9メートル。最大速力は27・46ノット。46センチの3連装砲塔3基を搭載した史上最大の戦艦。45年4月7日、沖縄へ向かう途中、鹿児島県沖で米艦載機の攻撃を受け沈没した。3332人の乗員のうち3056人が亡くなっている。