ダウン症書家の金澤さん「元気と感動あげたい」


国連本部で開かれた記念イベント、家族をテーマにスピーチ

ダウン症書家の金澤さん「元気と感動あげたい」

 ダウン症啓発を目的に国連が定めた「世界ダウン症の日」を翌日に控えた20日、国連本部で記念イベントが開かれ、ダウン症の書家、金澤翔子さん(29)が家族をテーマにスピーチした。書道の師で自分を支える母、金澤泰子さんに「私を生んでくれてありがとう」と感謝の言葉を述べるとともに、「(書によって)皆さんに元気と感動をあげたい」と語った。

 金澤さんの力強い文字は「魂の書」と評される。スピーチでは「私はマイケル・ジャクソンが大好きです」と英語であいさつ。5歳で書道を始めたことや14歳での父親との死別、泰子さんの支援で自立した日常を送れるようになったことなどをビデオを交えながら説明した。

 「もうすぐ30歳になります。1人になる練習をします。一人暮らしになっても一緒に書きましょうね」と母親への呼び掛けでスピーチを締めくくると、会場は拍手に沸いた。

 金澤さんは21日からニューヨーク市内で個展を開く。(ニューヨーク時事)