灯台もLEDに、既に8割切り替え


1日は「灯台記念日」

現存最古のレンガ造り灯台の菅島灯台=10月30日、三重県鳥羽市の菅島

現存最古のレンガ造り灯台の菅島灯台=10月30日、三重県鳥羽市の菅島

菅島灯台に導入されたLED電球の光源=三重県鳥羽市の菅島(第4管区海上保安本部提供)

菅島灯台に導入されたLED電球の光源=三重県鳥羽市の菅島(第4管区海上保安本部提供)

 全国の灯台で、光源の発光ダイオード(LED)化が進められている。変わることなく夜の海を照らす船乗りの道しるべにも、静かに変化の波が押し寄せている。1日は「第145周年灯台記念日」。

 LED電球は、白熱電球などに比べ消費電力量が少ない上、寿命が長く保守管理費用も節減できる。海上保安庁によると、10月1日時点で全国にある3224基の灯台のうち、78%超の2528基がLED化されている。

 1873(明治6)年に初点灯した現存最古のレンガ造り灯台である菅島灯台(三重県鳥羽市)も、今年9月に白熱電球と巨大レンズからLED電球と反射鏡に交換された。

 ヨーロッパの古城を思わせるデザインで、国の登録有形文化財や近代化産業遺産にも指定されている。鳥羽市の沖、伊良湖水道に近い離島に立ち、周辺は岩礁が多い海の難所だ。

 使用されているLED電球は360個。これまでの光の到達距離は約27キロだったが、LED化で約14キロに。菅島灯台を管内に持つ第4管区海上保安本部(名古屋市)交通部の担当者は「全地球測位システム(GPS)機器などの発達で昔に比べれば灯台の重要度は薄れており、必要性に見合った性能にしている」と話している。